世界的に大人気な台湾のウイスキーであるKAVALAN。
以前初めての夫婦海外旅行で台湾に行ったときに、カバラン蒸留所にも調べつつ行ってきました。
海外の蒸留所という事もありほぼ英語が話せないので不安でしたが、スタッフは優しくかなり楽しめました。
今回はカバラン蒸留所へ行ったリアルをお見せしたいと思います。
見学ツアーや目玉イベントのDIYブレンド体験、有料試飲や限定ウイスキーのお土産紹介など写真をたくさん撮ってきたので、ぜひご覧ください。
カバラン蒸留所以外の台湾旅行内容は別ブログで紹介してますので、興味があったら見てみてください


カバラン蒸留所とは

カバラン蒸留所は、台湾の亜熱帯気候を活かした急速熟成と、南国フルーツのような香りが特徴の世界的に評価されるウイスキー蒸留所です。
設立は2005年とウイスキーの歴史は浅いものの、台湾は亜熱帯気候で夏には気温が40度近くまで上昇するため、熟成が早く進み本格的なウイスキーを早く作れるというメリットがあります。
カバランウイスキーには以下のような味わいの特徴があります。
- 香り:トロピカルフルーツ、バニラ、トフィー、ココナッツ、フローラルなニュアンス
- 味わい:マンゴーを思わせる南国感あふれる甘さ、ハチミツや洋ナシのような柔らかい甘み
- 口当たり:早熟ながらクリーミーでまろやか、余韻はやや長め
カバランウイスキーは、わずか十数年で世界の主要コンペティションを席巻し、数々の最高賞を受賞しています。
代表的な受賞歴には「ワールド・ウイスキー・アワード」での世界一、東京ウイスキー&スピリッツコンペティションでの金賞独占、インターナショナル・ウイスキー・コンペティションでの三冠制覇などがあります。

特に「ソリスト」シリーズは、国際的な審査員から高く評価され、台湾ウイスキーの地位を一気に世界トップへ押し上げました。
公式サイト:カバランウイスキー | Kavalan Single Malt Whisky
台北からカバラン蒸留所への行き方
台北駅からカバラン蒸留所までの行き方は、①高速バス(140元)+タクシー(300元)、②電車(218元)+タクシー(300元)、③タクシーのみの3通りがあります。
蒸留所最寄りの宜蘭駅までしかバスや電車が通ってないので一本で行くには③のタクシーしかありませんが、片道1万円位するみたいなので高価です。
そこで今回は①高速バスとタクシーで向かいました。
まずは台北駅のバスターミナルへ行き、乗車券を買います。

受付の人にカバラン駅まで行きたい旨を簡単に英語で伝えると、乗り場や時間など丁寧でゆっくりな英語で教えてくれました。
(最悪Google翻訳の音声を使って乗り切ります。)
バス乗り場は4階にあり、Kamalan Busと書かれていました。

バスに乗車するときはもらったチケットのQRコードをかざすだけでした。
バスは結構豪華な内装になってて、道もそこまで混んで無く1時間ほどで駅まで行くことが出来ました。

無事駅まで着くと、今度はタクシーに乗り換えます。
結構何台もタクシーが停まってたので、そこまで苦労しませんでした。
行先はカバランウイスキーと言うだけ。
結構運転は荒くてびっくりしましたが、なんとか無事蒸留所に着きました。
蒸留所敷地は結構広いので少し歩きますが、カバランのロゴがあるところがお土産ショップやカフェのあるエントランスです。
蒸留所あるあるですが入り口に樽が置いてありました。

見学ツアー参加(予約なし)
カバラン蒸留所はフリーで蒸留所見学をすることが出来ますが、事前予約をすることで無料で日本語ガイド付きの見学ツアーに参加することが出来ます。
ちなみに蒸留所内はGoogle mapのようにHP上で内部が公開されています。
説明も日本語翻訳すれば読めるので、ぜひ覗いてみてください。
日本語ガイド付き見学ツアーは時間が決まっており、うまく蒸留所にたどり着けるかわからなかったので私は予約しませんでした。
しかし予定通り指定の時間に間に合ったのでダメもとでスタッフに聞いてみたら、なんと参加することが出来ました!

カタコトの日本語を話すガイドさんに案内されて蒸留所のエントランスに入ります。

エントランスの壁には大きなカバランウイスキーが描かれています。
どれも賞を取ったウイスキーばかりです。(左がクラシック、真ん中がコンサートマスターポートカスクフィニッシュ、右がソリストエキストラバーボンのカスクストレングスです。)

エントランスすぐの階段を上がると、たくさんの実際に使われた樽が置かれてあります。
木の隙間からウイスキーが染み出しており、ほんのりといい香りがします。

続いてウイスキーの製法を追っていきます。まずは原料の大麦麦芽です。
ここではなんと実際の大麦麦芽を手に取って匂いを嗅ぐことが出来ます。
日本の蒸溜所ではなかなかできなくなってしまいましたので、海外ならではの貴重な体験です。

次は麦汁を発酵させ糖をアルコールに変える、酵母(イースト)です。
この酵母によってウイスキーの香り豊かな風味の特徴が変わってきます。

次は樽の紹介です。
ウイスキーは他のお酒を入れていた樽にウイスキーを詰めて熟成させ前のお酒の香りを移していきます。
左から、ヴィーニョ(ワイン)、ブランデー、ポート(酒精強化ワイン)、バーボン(ウイスキー)の樽となっています。
樽の容量も若干異なり、風味も変わってきます。

こちらも製作途中のアメリカンオーク樽ですが、職人の手によって32本の板が隙間なく組み立てられて樽が出来上がります。
写真は撮ってませんでしたが、樽内のシェリーワインの上に浮かぶ酵母の層(フロール)や、樽の内側を焦がすチャ―リングの度合いを表した展示もありました。

次は数か月ごとの樽熟成による色合いの変化を見ることが出来ました。
先ほど見た4つの樽の違いによって、色付きの違いがよく分かります。
一番上のオロロソシェリーが一番色が付きやすく、一番下のアモンティリャードが2番目と言ったところでしょうか。

次も樽熟成の色ですが、さらに天使のわけまえ(エンジェルズシェア)も見えるようになっています。
熟成によって樽の隙間から蒸発していくことにより、アルコールも落ち着いてきます。

これは麦汁を糖化するマッシング工程。

こちらは発酵工程。先ほどの麦汁に酵母を加えてアルコール度数7%ほどのビールのようなものが出来上がります。

こちらはポッドスチル。カバラン蒸留所では2回蒸留されます。


ここではポッドスチルから出てくるウイスキーのニューポッドが見られます。

奥には連続式蒸留器があり、カバランのジンが作られています。

さらに奥には最後に熟成庫を覗いてみることが出来ます。
縦置きになっているのは、省スペースと地震対策だと説明がありました。
これにて無料見学ツアーは終了です。

今回はありませんでしたが、予約するとリッチな酒庫テイスティングルームで1,500元払うことで希少な原酒3種類の試飲ができたようでした。飲めず残念。

ちなみにいつもなのか分かりませんが、ツアー中何度かクイズが出されて、正解者にはKAVALANの文字が入った鉛筆がプレゼントされてました。
嫁と私とで1本ずつ頂けました!

レストランでお昼ご飯
ツアー後終わった後はお腹が空いたので蒸留所内のレストランに行きました。
メニューは喫茶店にあるようなサンドイッチやパスタ、ピザやワッフルなどなどありました。


値段は日本の喫茶店メニューよりも高いくらい。
蒸留所内なのでそんなものかなと思います。

私はルーベンサンドとプリン、嫁はボロネーゼを注文しました。
合計810元(4500円位、た、たけえ…)

ルーベンサンドはライ麦なので香ばしく、挟まれている肉のパストラミも食べ応えがあり美味しかったです。
そして何よりこのプリン。名前はカバランウイスキープリン。
ウイスキーが入っている?のかウイスキーの香りも味も強くて最高でした。
多分これを食べたら運転できません。ウイスキーのつまみにプリンも合うんですよね!
蒸留所のご飯って高くても買ってしまいますし美味しいんですよね。雰囲気大事。
ちなみにテーブルは蒸留所建屋の窓側にあり、椅子やソファーもかなり大きかった印象です。
ココでしかできない!DIYブレンド体験

カバラン蒸留所では、なんと自分だけのオリジナルブレンドウイスキーを作って持ち帰ることが出来ます。
自分好みのブレンドにしても良し、唯一無二のプレゼントとして作って渡しても良しです。
受付の方は英語でしなければいけませんでしたが、ブレンド方法などが書かれている冊子は日本語verが用意されていたため、スムーズに行うことが出来ました。

ちなみにDIYブレンド体験をやってた方は自分の他に1組だけでした。
時間によって込み具合が全然違うみたいなので、ラッキーです。

ブレンド元となるウイスキーは4種類あり、左からエクストラバーボン、ヴィーニョ、オロロソ、ピーティ―でした。
各原酒の香りイメージも書かれており、かなり分かりやすいと思います。

手順としてはまずは各原酒の香りと味わいを確認し特徴を捉えます。
次にブレンド比率を4種類ほど決め、試験管で分量を量りながらブレンド・テイスティングして、ボトリングするブレンド比率を決めます。
その後ボトリングして終了といった形です。
私の好みは「とにかくフルーティな甘みとピートは控えめ」なので、比率は0:3:3:0でボトリングしました。
つまり、ヴィーニョ(ワイン)とオロロソ(シェリー)の1:1です。
少し潮っぽいメロンの優しい甘い味わい香りが心地よく、一番好きな味になった気がします。
ブレンド比率が決まったらスタッフに声をかけて、ボトリングを自分でしていきます。

スタッフがビーカーに量を測って比率通り用意してくれるので、それをボトルに慎重に注ぎます。
ボトリングする経験は人生初だし、こぼすととんでもなくもったいないので緊張しました(笑)

そしてキャップ部とラベル部のシール貼りも自分で行います。
ラベル部分にはボトリングの日付とマスターブレンダー(自分)の記入をします。なんか感動!!!

最後に超豪華な箱に入れて、ブレンディングに使用したノートも添えてDIYブレンド体験は終了となります。
日本の蒸溜所ではなかなかできないボトリング、最高の思い出になりました!
有料試飲(テイスティング)
有料テイスティングは意外と少なく4種類のみでした。
値段は各種10mlで100元~200元と破格です。

ラインナップは以下の通りです。
【カバラン トリプルシェリーカスク シングルモルトウイスキー】
概要…オロロソ、ペドロヒメネス(PX)、モスカテルの3つのシェリー樽で熟成された原酒を組み合わせ
Alc度数…40%
色合い…深いスカーレット色
風味…熟れたベリーとドライフルーツ、新鮮なフレープや柑橘の香り、チョコレートブラウニーやタフィーの甘さ。シナモンやクローブのスパイシーなヒントも、心地よいオークの香りや芳しいローズマリーと混ざり合う。
口当たり…オロロソシェリー樽由来のドライフルーツの余韻。まろやかな風合いで、暖かく滑らか。砂糖漬けのフルーツ、キャラメル、蜂蜜の甘さを想わせる。
【カバラン ワイン樽 シングルモルト ウイスキー】
概要…純粋で甘い噶瑪蘭天然水を使用し、アルコール濃度を43%に調整。原酒の濃厚な甘さは、ここで初榨の葡萄ジュースの軽やかな甘さに変わり、依然としてSTR焼き樽の特有の焦がしキャラメルやダークチョコレートの香りを保ちつつ、酒のボディはバランスがとれ、口当たりが柔らかく滑らか。
Alc度数…43%
色合い…秋の輝き
風味…最初は焦がしキャラメルとダークチョコレートの香り。初搾りの果皮入りぶどうジュースの香りが豊かに広がる。香甘で口当たりが疲れない、爽やかな味わいです。
口当たり…新鮮なぶどうの果実の香りが舌を包み込み、微かな甘さを伴ったダークチョコレートの香りが広がる。余韻にはほのかな燻しいたいほのかなベリーの香りが漂い、全体的にバランスがとれた円滑な味わい。
【カバランソリスト ポートカスク カスクストレングス シングルモルトウイスキー】
概要…ポートワインは甘く重厚な味わいのポルトガル産の酒精強化ワイン(醸造過程でアルコールを強めたワイン)の一つ。その貯蔵樽を利用して熟成したウイスキーは、甘みと幾層にも広がる香りを持つ。
Alc度数…50~59.9%
色合い…シックな赤褐色
風味…ナッツとオレンジの深い香りが融合し、ゆっくりとポート樽特有のコクのある木の香りが口の中に広がる。
口当たり…鮮やかなフルーツの香りと最高級チョコレートの香りが絶妙にマッチし、口の中でナッツチョコレートがゆっくりと溶けるような最高の味わいと余韻。
【カバラン 蒸留所限定品 ピーテッド モルト カスクストレングス シングルモルトウイスキー】
概要…スモーク風味にトロピカルフルーツが絶妙にマッチ。貯蔵品にするもよし、じっくりとテイスティングするもよしの逸品。
Alc度数…50~59.9%
色合い…ハチミツのような黄金色
風味…濃厚な蜜蝋とココナッツ、それから甘みの強いトロピカルフルーツの香りがし、ゴールドキウイの芳しさがその香りを彩る。
口当たり…クリーミーな味わいが広がり、ほのかにスモーク風味が漂う。余韻が長く続き、辛口の胡椒とトウガラシの香りが微かに混ざり合う独特の特徴。
ワイン樽以外の3種はどれも複数受賞歴のある、世界に認められた大人気ウイスキー達です。
4つ頼むことが出来ましたが、その前にブレンド体験でまあまあ飲んでいたので、ソリスト以外の3種類を注文。

10mlなのでグラスに移すとこんなに少ないですが、しっかりと香りと味わいを確認することが出来ました。
トリプルシェリーは前からずっとほしいと思っていたウイスキーで、オレンジやブルーベリーの印象が強くかなり好み。
ワイン樽はフレッシュなグレープフルーツって感じ。(あまり流通してなくネットで売られてませんでした。)
蒸留所限定ピーテッドはカスクストレングスなので度数が高いですが、そこまで強く感じず余韻は短めの印象。
苦み6甘み4って感じで自分でも美味しく飲めるピーテッドウイスキーでした。
ちなみに有料試飲の注文金額分の割引券がもらえ、お土産ショップで使うことが出来ます。
つまり実質タダで有料試飲出来ました!太っ腹!
お土産ショップ(限定ウイスキーなど購入品紹介)
最後はお待ちかねのお土産ショップです。
ショップエリアは結構広く、ウイスキーの種類もかなりたくさん置いてありました。
中には超高級ウイスキーの展示もいくつかありました。

これは受賞歴がかなり多い、希少な原酒を使用したソリストシリーズの1本。
お値段定価で8,000元(つまり約4万円)!
【カバランソリスト アモンティリャードシェリーカスク カスクストレングス シングルモルトウイスキー】
概要…希少なアモンティリャード樽で熟成させたウイスキー
Alc度数…50~59.9%
色合い…豊かな赤褐色。
風味…豊かで深みのあるフルーティーな香りにヘーゼルナッツとアーモンドの濃厚さが融合し、そこにタフィーとオーク(材)の香りが加わる。
口当たり…独特でソフトなシェリーの口当たりで、キャラメルの香りを含み、ナッツと胡椒が優しく織り成す余韻が長く続く。
いくら旅行で財布のひもが緩くなってるとはいえ1本4万は手が出ない…
海外旅行で免税の関係上、日本に持って帰れるお酒の量が決まっていますが、今回は夫婦2人旅行なのでそこまで気にする必要はありません。
ボトルで購入したのは有料試飲したトリプルシェリーカスクと、蒸留所限定マデイラカスクの2本です。
【カバラン 蒸留所限定品 マデイラカスク カスクストレングス シングルモルトウイスキー】
概要…マデイラはポルトガル南端のマデイラ島で造られる酒精強化ワインで、太陽熱を利用した天然の加熱熟成法で甘くリッチな味わいを生み出す。
Alc度数…50~59.9%
色合い…深みのある琥珀色。
風味…チェリー、ブドウ、リンゴなどのフルーティーな香りに、ハチミツとシナモンの風味が微かに漂う。またジューシーなメロンにアーモンドの香りが重なり、タフィーとバニラの甘さを引き立てる。
口当たり…ウリとアンズの香りが豊かで、イチジク、オレンジジャム、ブドウなどの風味が口の中で広がる。またホワイトペッパー、シナモンの香りが加わり、タフィーとハチミツの繊細な甘さが絶妙に引き立つ芳醇な余韻。
蒸留所限定なだけあり流通していないので、記念にと思い購入しました。味わいも自分好みそう!
そして特徴的な試験管に入ったお試しボトル(50ml)もたくさんの種類が売られていました。
この試験管たちを選ぶのが本当に楽しかったです!値段は可愛くないので買いすぎ注意です。
1本ずつ選んで購入でき、私は6本選択しました。
- カバランコンサートマスター ポートフィニッシュ
- カバランブランデーオーク
- カバラン金車 コンダクター
- カバランオロロソシェリーオーク
- カバランポーディアム
- カバランワインオーク
※商品流通なし
またグラスやグッズも多数ラインナップがあり、今回はテイスティンググラスを1本購入しました。
※商品流通無し
と言うわけでカバラン蒸留所での購入品はこちら(DIY含む)。


購入品の合計金額は5,810元となりました。
ネットでは買えない蒸留所限定品やネット市場で高騰しているウイスキーも定価でたくさん購入できるので、日本の蒸溜所とは違いストレスなくお買い物を楽しむことが出来ました!
まとめ

初の海外蒸留所としてカバラン蒸留所に行きましたが、日本では体験できないブレンドボトリングが最高でした!
またショップラインナップが豊富で、日本とは違うなぁと感じさせられました。
カバランウイスキーで気になってて飲んでない物もたくさんあるので、再びいつか台湾に遊びに行こうと思います。
台北にはカバランウイスキー専門のバーもあって時間の都合上行けなかったのも心残り。
日本から比較的近くて行きやすい海外の蒸留所なので、ぜひ行ってみてくださいね。

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